健康経営の重要性は、すでに多くの企業で理解されるようになりました。
それでも現場では、「分かっているけれど進まない」「続かない」という課題が残っています。
このシリーズでは、健康経営を無理なく続けるために必要な考え方と仕組みを整理していきます。
健康経営は「始めること」より「続けること」が難しい
健康経営について、
- 必要性は理解している
- 情報もある程度集めた
- 何かしら取り組みも始めた
それでも、気づけば
- 最初だけで終わっている
- 担当者の手が止まっている
- 形だけ残って実態がない
こうした状態になっている中小企業は、決して少なくありません。
「続かない」のは、中小企業だから仕方ないのか?
ここでよく聞くのが、
- 人手が足りないから
- 忙しくてそこまで手が回らない
- 専任の担当者がいない
といった理由です。
たしかに、中小企業は
大企業のように人員や時間に余裕があるわけではありません。
しかし、
健康経営が続かない本当の理由は、そこではありません。
問題は「余裕」ではなく「設計」にある
そこで、健康経営が止まってしまう企業を見ていくと、ある共通点があります。
それは、
- 健康経営を
「追加の仕事」として考えている - 日常業務とは
切り離された取り組みになっている
という点です。
この状態では、
どれだけ意識が高くても、
どれだけ真面目に取り組もうとしても、
いずれ日常業務に押し流されてしまいます。
中小企業でよくある「続かない」3つのパターン
① 担当者任せになっている
健康経営の担当が決まった瞬間から、
「その人の仕事」になってしまうケースです。
- 担当者が忙しいと止まる
- 異動や退職でゼロからやり直し
- 経営層は状況を把握していない
これでは、健康経営が会社の取り組みになるはずがありません。
② 取り組みが「イベント化」している
- 年1回の研修
- 期間限定のキャンペーン
- 書類を整えて終わり
こうした形は、
一見やっているように見えますが、
日常業務とは切り離されたままです。
その結果として、
「やったけれど何も変わらない」という印象だけが残ります。
③ 情報が社員に届いていない
健康経営に関する情報が、
- 一部の資料にしかない
- 担当者しか分からない
- 社内で共有されていない
この状態では、社員側は「自分には関係ない」と感じてしまいます。
健康経営は、
社員に届いて初めて意味を持ちます。
「続く健康経営」に必要な視点
中小企業で健康経営を続けるために重要なのは、
- 新しい施策を増やすこと
ではなく - 無理なく回る形に整えること
具体的には、
- 誰か一人に依存しない
- 日常業務の中に自然に組み込まれている
- 情報が必要な人に、必要な形で届く
こうした状態を、
最初から前提として設計することです。
健康経営は「頑張り続けるもの」ではない
健康経営は、
- 意識の高さ
- モチベーション
- 一部の善意
で支えるものではありません。
頑張らなくても続く状態を作ることが、中小企業にとっての現実的な選択です。
健康経営を一過性の施策ではなく、組織として継続できる形で考えたい方へ。
次回予告
次回は、
健康経営とエンゲージメントは、なぜ切り離せないのかをテーマに、
両者を切り離さずに考えるための視点を、現場目線で整理していきます。
この記事を最初から
- 健康経営は「意識の高い会社」の話ではありません(最初から読む)
- なぜ中小企業ほど、健康経営が「続かない」のか
- 健康経営とエンゲージメントは、なぜ切り離せないのか
- 健康経営を「担当者任せ」にすると、必ず行き詰まります
- 健康経営DXとは「IT化」ではありません
- 健康経営を「仕組みとして」始めたい会社へ


