エンゲージメントを高めたい。
でも、何から手をつければいいかわからない。
そんな声を多く聞きます。
研修や制度を増やす前に、
まず見直してほしいものがあります。
それは、日常業務の中にすでに存在している
「仕組み」です。
エンゲージメントが高い会社ほど、
この基本的な仕組みが整っています。
仕組み①「ルール」が属人化していないか
エンゲージメントが下がりやすい職場では、
- 人によって言うことが違う
- 判断基準がはっきりしない
- 暗黙の了解が多い
といった状態が見られます。
これでは、現場は常にこう感じます。
- 「今回はどう判断すればいい?」
- 「誰に聞けば正解?」
- 「下手に動くと怒られるかも」
この状態が続くと、人は考えるのをやめ、指示待ちになります。
見直すべきポイントはシンプルです。
- よくある判断を言葉にしているか
- 例外の扱いが共有されているか
- 人ではなくルールで判断できているか
完璧なマニュアルは不要です。
迷いやすい部分だけを整理することで、現場は一気に楽になります。
仕組み②「情報」が一部の人に偏っていないか
エンゲージメントが低い職場では、
- 知らない前提で話が進む
- 後から決定事項を知る
- なぜそうなったのかわからない
ということが起こりがちです。
情報が偏ると、現場では、
- 「どうせ自分は関係ない」
- 「決まったことに従うだけ」
という意識が生まれます。
見直したいのは、
- 何が決まったのか
- なぜその判断になったのか
- 現場に何を期待しているのか
すべてを共有する必要はありません。
「判断の理由」が少し伝わるだけで、
納得感は大きく変わります。
仕組み③「相談できる導線」があるか
エンゲージメントが高い会社では、相談のハードルが低く設定されています。
一方で、うまくいかない職場では、
- 忙しそうで声をかけづらい
- 相談すると怒られそう
- 誰に聞けばいいかわからない
という状態が放置されています。
結果として、
- 問題が表に出てこない
- 手遅れになってから発覚する
という悪循環が生まれます。
見直したいのは、
- 誰に相談すればいいか明確か
- 相談したときの対応が安定しているか
- 相談=評価が下がる、になっていないか
相談できる仕組みは、制度より空気が大切です。
3つの仕組みに共通する視点
ここまでの3つに共通するのは、
- 新しいことを始めなくていい
- お金をかけなくていい
- 今あるものを整えるだけ
という点です。
エンゲージメントは、
「特別な施策」で高まるものではありません。
迷わず・納得して・安心して働ける環境
この土台があるかどうかで、結果は大きく変わります。
まずは1つだけでいい
3つすべてを一度に整える必要はありません。
- ルールを1つ整理する
- 情報共有の方法を1つ変える
- 相談の入り口を1つ明確にする
どれか1つで十分です。
小さな改善が、
現場の空気を少しずつ変えていきます。
次回予告(ひと段落の回)
次回は、
「中小企業のエンゲージメントは“特別なこと”をしなくていい」
をテーマに、
- ここまでのまとめ
- 人財エンゲージメントサポートの考え方
- これからの関わり方
を整理します。
この連載の着地点となる回です。


